スクラッチパーティションについて
<著者からのお願い>
本記事の改訂版として以下のリンク内に更新記事を掲載しております。最新の情報をご確認頂くため、こちらのリンクをご覧ください。
なお、はてなブログ上の本記事については今後更新は行いませんので、ブックマークなどをされている読者様は、恐れ入りますが新ブログを改めてブックマーク頂くようお願い致します。
トレーニングなどで、VMware製品を初めてサポートする方から、”Scratch Partition(スクラッチパーティション)”とは何か?と聞かれることがあります。
先日vSphere 6.0 ICMコースを提供時にも質問がありました。
初めて私もこの名前を聞いた時は、”Scratchって削るとかそういうイメージ”だったので、あまり名前からは用途や役割をイメージ出来ませんでした。
まず役割ですが、”サポートに必要なログ情報が保存される領域”です。
英語でScratchを形容詞で調べると”集める”という意味合いがあるので、後述していますが情報収集をする、という意味合いだと解釈出来ます。
私がトレーニングで関わるスタッフの方は、テクニカルサポートなどの部門が多いので、そういう意味では大切な領域です。
こちらがオフィシャルな情報ソースです。
わかりやすく言えば、必須ではなく、このパーティションはESXiがインストールされる領域のサイズが5.2GB以上の空き容量がある場合のみ作成される領域です。
次のナレッジを読むと、次のようなことが記載されています。
ESXi 4.x/5.x/6.x の永続的スクラッチの場所の作成 (2042585)
つまり、問題が発生した環境に於いて、原因と対策を間違いなく取りたいというケースでは、スクラッチパーティションの存在は大変重要と言えます。
(マーカーで記しているように、ログなどの情報が、ESXiホストの再起動により消失します)
結論としては、ログを取得するためには、スクラッチパーティションを設定することで、問題解決のヒントとなるログを消失するケースを防げます。
この場合、USBメモリスティックやSDカードのようなデバイスを使うケースでは、ログが取れないリスクがある、とも読めますがそれに対する対策はあります。
それは、Syslogサービスの利用です
vSphere Syslog Collectorを利用すれば、ネットワーク上のNFS、FATなどにログを保存することが出来ます。
ESXi 5.x および 6.0 での Syslog の構成 (2014699)