vSAN環境でのノードの役割である”Master”、”Agent”、”Backup”とは?(随時更新予定)
今回は、vSANのノードの役割相互関係についての記事です。
私がvSANのトレーニングを以前に受講した際には、vSphere HAのようにマスターとスレーブの関係については特に語られていませんでした。
以前まではノードは常に対等の関係だと理解をしていたのですが、vSANのマルチキャストアドレス確認時に”Master”や”Agent”の気になる文字を発見し、今回の記事でまとめてみました。
数点の記事を参照して情報を集めてみましたが、以下の情報がオフィシャルで良いと思います。
Diagnostics and Troubleshooting Reference Manual – Virtual SAN
*特に96ページ当たりに掲載されています。
*vSANは更新が大変早いので、上記リンク以外で有用なもの、上記リンクが変更になっている場合があります。
情報ソースも貼り付けてみました。(VMware vSAN Network Designより抜粋)
まず、vSANのノード間では3種類の役割があります。
- マスター(Agent Group MulticastとMaster Group Multicastに属す)
マスターの役割は、vSAN上のメタデータの配布です。vSANクラスターの全ノード上のCMMDS(Clustering Monitoring, Membership, and Directory Services)からの更新を情報を受信し、それを全ノードに配布することがメインの役割です。
同一vSANクラスター内の他のノード達と通信をしますが、以下のものがあります。
1.マスターからAgent Group Multicast Address(デフォルトだと224.2.3.4のUDP 23451)に対するハートビート通信が発行される
2. マスターとバックアップ間でMaster Group Multicast Address(デフォルトだと224.1.2.3のUDP 12345)メタデータアップデートの通信を行っている。
なお、vSAN 6.6からはこの通信はユニキャストに変更されています。
2. ユニキャストによる他ノードとの通信(TCP 2233、マスターと他ノードで両方ともこのポートを利用)(公式情報を確認中)
また、マスターは自身の生存状態を全ノードに1秒おきにハートビート通信を送信しています。 - バックアップ(Agent Group MulticastとMaster Group Multicastに属す)
所謂、スレーブなどと呼ばれるような、マスターダウン時の引き継ぎ役です。
マスターの紹介で登場したユニキャスト通信を利用し、マスターの状態確認を行っています。
常にマスターと同等のメタデータ情報を持っており、マスターダウン時にデータのコピーやノードの再検出などを行わずして、シームレスに役割を引き継ぐことができるようになっています。
また、バックアップノードもエージェントの1つであるため、メタ情報の更新をマスターに伝えます。 - エージェント(Agent Group Multicastにのみ属す)
ほか2つ以外のノードがエージェントとして動作します。
エージェントは、Agent Group Multicast addressに対してメタデータの更新を通達する。
Master Group Multicast address(224.1.2.3 Port: 12345)
マスターとバックアップ間でのによる、CMMDSのメタデータ更新に利用されている。
Agent Group Multicast address(224.2.3.4 Port: 23451)
マスターが、他ノードに送信するハートビート送信をするために利用している。
エージェントが、メタデータ更新のために利用している。