Virtual Volumesのメリット
久々の更新です。しばらく社内でVMware以外の製品トレーニングに追われており、なかなかVMware製品の知識まとめが出来ておりませんでしたがぼちぼち再開をしていきます。
来週から久しぶりにvSphere 6.0 Install, Configure, Manageを2週間立て続けに行います。それ以降は7月末まで、vSAN 6.2 Configure & Manageをぶっ続けです。
さて、今回はVirtual Volumes(略称VVOL)についてです。
vSphere 6.0からリリースされた機能ですね。最近のVMwareさんのストレージ系機能の強化は手厚いですね。今回はメリットを紹介致します。
Virtual Volumesを利用する際のメリット
- ワークロードをvmkernelからストレージへオフロード
スナップショットはクローンなどの操作をこれまでvmkernel側にて処理していたものが、
ストレージ側にてこの処理を実行するため、仮想環境側のリソースに余裕が出る。
これらのストレージ処理時にCPUやメモリなどのリソースが利用されることがなくなる。 - ストレージ管理者と仮想基盤管理者間でのコミュニケーションが円滑になります
例えば、VMを保存する場合のデータストアの選定時に、管理画面上では各データストアが、"レプリケーションにより保護されているか?"であったり、”RAID 10なのかRAID 5”なのか確認ができません。
逐一ストレージ管理者に質問、確認が必要です。Virtual Volumesを利用すれば、仮想マシン作成時のインターフェースでこれを確認し、VMに対し適切なストレージ選びが可能となります。 - 過剰なディスクプロビジョニングがなくなる
VMFSを利用している場合、一度フォーマットされた領域は縮小出来ません。(以下のナレッジに記載がありますね)
つまり、ストレージの管理者からすれば、一度仮想化基盤管理者に渡したVMFSは、そのLUNを削除するまで帰ってきません。ですので、領域のアサインの意思決定には慎重です。
ですが、VVOLで利用されるストレージコンテナーと呼ばれる領域は、拡張、縮小がサポートされています。この点で言えば、ストレージの領域に関して柔軟性ある判断にて領域の確保ができるといえます。 - ストレージが持つ機能を、仮想マシン単位で利用するかどうか選定できる
通常ハードウェアストレージが持つ機能には次のようなものがあります。
スナップショット、レプリケーション、クローン
これらはLUN単位で実施されるため、単一のLUNに対し、100台のVMが存在する場合、これらのオペレーションはこの100台に対して実行されます。
必要な仮想マシンがそのうち10台だけであれば、次のような手法であれば10台に対しスナップショットが利用出来ます。
1. 10台のために別のLUNを作成する
2. 10台のスナップショットはVMware ベースのものを使う
1.の場合、管理対象が増えてしまうのが難点です
2.の場合、スナップショット取得時のリソースはvmkernelのものを使うので、パフォーマンスの懸念があります。
VVOLを利用すれば、仮想マシン単位で、ストレージのこれらの機能を利用できます。
これら以外にもメリットは多くありますが、代表的なものを例を上げて記載してみました。