VMwareな日々

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VMware おすすめ 勉強/学習 書籍の紹介

<著者からのお願い>

本記事の改訂版として以下のリンク内に更新記事を掲載しております。最新の情報をご確認頂くため、こちらのリンクをご覧ください。

lab8010.com

なお、はてなブログ上の本記事については今後更新は行いませんので、ブックマークなどをされている読者様は、恐れ入りますが新ブログを改めてブックマーク頂くようお願い致します。

このBlogはvExpert Advent Calendarに参加しています。

https://adventar.org/calendars/2248

※本記事で紹介している無償電子書籍の提供期間及び掲載方法は掲載元によって予告なく変更される可能性があります。当該の変更に伴う必要費用の変更や情報の変更については当ブログでは一切の責任を負いかねますので、その点ご容赦頂きご一読願います。

 

もう間もなくクリスマスシーズンということで、ちょっと早いですが皆様にクリスマスプレゼントです。

ということで私が把握する中で、特にお勧めの無償電子書籍のご紹介です。

※紙媒体の同一、類似本の紹介も含んでいます。(こちらは有償書籍です)

 

ここで紹介している書籍以外にも、世の中には素晴らしい仮想化の書籍は多く存在しますが、”私インストラクターYamatoが日々スキルアップ、業務のため”に使っている、これから使う予定の書籍として、今回紹介をしています。

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Rubrik | eBook: VMware vSphere 6.5 Host Resources Deep Dive

<書籍レビュー>

vSphere 6.5をベースとしたESXiホストが保有、管理するリソースの使われ方についての非常にディープな内容で紹介されている書籍です。仮想化に関する書籍であるにも関わらず、CPUの内部アーキテクチャや仕組みなどについて紹介が多く、これまでのVMware書籍とは違ったカラーの本だと言えます。

メモリについても、ハードウェアの側面での仕組みやvSphereの側面でのバルーニングの動きなどの記述もあり、読み応え抜群です。現在英語版しかありませんので、英語の勉強にも使えるのではないでしょうか。

無償電子書籍版はこちら / 有償紙媒体の書籍はこちら

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Introduction to the book - vSAN Essentials 6.2 

<書籍レビュー>

恐らく2017年12月時点では、唯一のvSANの書籍ではないでしょうか。(私が把握していなかったらごめんなさい)
vSANを始めとしたHCI市場は、ここ数年で盛り上がりを見せているわけですが、新しいテクノロジーの学習には、まずオフィシャルな教科書が欲しいという方も多いと思います。
vSANはドキュメントも優れていますが、ドキュメントと教科書は別もの、という方も多いのではと思います。
この書籍は、まさにvSANを知るための初めての一冊としてお勧め出来る、理由としてはvSANの開発に携わっているCTO(最高技術責任者)のお二人、ダンカンとコーマックが監修しているという点です。
”中の人”が作った書籍、という点では信頼性抜群ですね。

無償Webページ版はこちら / 無償電子書籍版はこちら(PDF / EPUB / MOBI) / 有償紙媒体の書籍はこちら

* 無償版 vSAN 6.2, 有償紙媒体版はvSAN 5.5対応です

* 無償版には上で表示している表紙は無いので、イメージ図として掲載しています。

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Introduction · vSphere 6.0 U2 HA Deepdive

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<書籍レビュー>

こちらもCTOであるダンカンが執筆している書籍です。(中の人の本ということです。)

この書籍は、紙媒体で同一のものはなく、大変近いものとしては、”VMware vSphere クラスタ構築/運用の技法”があります。(これもダンカンの書籍であり、HA以外にもDRSなどの他のクラスターについても記述されています)

これも私の知る限りですが、こちらのVMware vSphere クラスタ構築/運用の技法”は販売されている書籍では唯一vSphereのクラスター構築に特化している日本語版書籍だと言えます。(基本アーキテクチャから構築のポイントや障害時点での動作紹介など)

ですので、この書籍は上記2冊とは違い、無償版と有償版が異なる書籍である点をご注意ください。

vSphere HAの基本及びvSANとのコラボレーションについて知りたいあなた=Web及び電子書籍版がお勧め(無償版)

日本語でvSphereのクラスターの基本を知りたいあなた=紙媒体書籍版がお勧め(有償版)

無償Webページ版はこちら / 無償電子書籍版はこちら(PDF / EPUB / MOBI) / 有償紙媒体の書籍はこちら

* 有償紙媒体版は、同一書籍でなく類似のものを掲示しています。

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Network Virtualization for Dummies

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※こちらは入手のためにはユーザー登録(無償)が必要です。

※ちなみに、For Dummiesというのは超初心者のための、という意味があるんですね。

<書籍レビュー>

ネットワークの仮想化は、以前にも取り上げたように利点や必要性がまだまだこれから浸透していく製品だと思っています。ですから、まずは”なぜ必要なのか?”というコンセプトの理解をするのにはとても良い資料だと言えます。やはりトレーニングなどでも新機能や新しいテクノロジーを伝える際には、私も”コンセプト”、”いつ”、”なぜ”使うのか、ということから説明をするようにしていますので、共感出来ます。

無償電子書籍版はこちら

※こちらは入手のためにはユーザー登録(無償)が必要です。

以上です。年末年始、まとまった時間がある際は、是非スキルアップして業務上の同僚を驚かせてみては如何でしょうか?

VCPを初めて取得、受験する際の流れ、条件について[VCP6-NV編]

前回に引き続いて、VMware NSXに対する資格である”VCP-NV”の取得方法のご紹介です。

前回はvSphereの認定資格であるVCP-DCVを紹介しました、詳細は以下のリンクからご覧ください。

instructor8010.hatenablog.jp

今回のお題はこちらです。

お題:VCP-NVの取得条件について

”必須トレーニングを受けて、2つの試験を受けて取得をする”と思っている方は、実は半分正解といった所です。

 

さて、まずは公式ソースを確認してみましょう。

VMware Certified Professional 6 – Network Virtualization (VCP6-NV) | United States

大きく分けて2パターンあります。

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Path 1は従来の方法 / Path 2は・・・?

まずPath 1ですが、お察しの通りVMware認定のトレーニングを受講していれば、後は2つの試験合格で、認定を受けることが出来ます。

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対象トレーニングは次の通りです。いずれもVMware NSX絡みですね。当然と言えば当然です。

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これはとても有名な方法ですね、ですが私が皆様にお伝えしたいのは以下のもう1つのプロセスです。

 

なんと、有効なCiscoCCNACCNP、CCIE以上を保持していれば、なんとVMwareトレーニングをの受講を行わずとも、資格認定試験の合格のみでスキル認定を受けることが出来ます。

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有効なCCNA以上のCisco資格を持っていれば、認定資格試験を受験するだけで認定を受けられます。

これまで、VMwareの認定スキルと言えば、基本的にトレーニング受講有りきなわけですが、NVだけは珍しくもこうしたパスもあります。

 

これは公式トレーニングを行っている一インストラクターという視点では、非常に良い事だと感じました。

理由としては、VMware NSXを知るためには、”基本的なネットワーク知識”を持っていることが前提となるわけです。コースの内容を考えた場合、基本的なスイッチの動きやブロードキャストのデメリット、ARPプロトコルとは、といった内容を把握している方であればこそ理解出来る内容もあります。

 

私は、Cisco資格もCCNP Switchまでは持っていますので、その点は非常に共感が出来ます。

 

勿論、Cisco資格を保持している方であっても、VMware NSXの公式コースは受けて頂くことで、よりNSXについて知っていただっけますので、受けていただくことに越したことはありません。

 

以上で今回のまとめに入ります。

  1. VCP6-NVの取得条件は次の通り
    - 2パターンのパスが存在する
    - パターン1は、正規のトレーニングコース受講+2つの試験合格
    - パターン2は、Cisco資格であるCCNA以上を保持している+2つの試験合格
  2. ネットワークの基礎知識固めを忘れずに
    - VMware NSXは、VMware製品でありますが、其の根幹は一般的なネットワーク知識にあります。これをなくしては取り扱えない製品となります。
    Ciscoでも良いですし、それ以外にも何かしらネットワークの知識を自己学習しておくことをおすすめしたいと思います。

今後別回で、私が過去にネットワーク知識の学習に利用したサイトをご紹介させていただきたいと思います。

VCPを初めて取得、受験する際の流れ、条件について[VCP6.5-DCV編]

<著者からのお願い>

本記事の改訂版として以下のリンク内に更新記事を掲載しております。最新の情報をご確認頂くため、こちらのリンクをご覧ください。

lab8010.com

なお、はてなブログ上の本記事については今後更新は行いませんので、ブックマークなどをされている読者様は、恐れ入りますが新ブログを改めてブックマーク頂くようお願い致します。

はじめに

※今回の記事は、2017年12月時点での情報となりますので、参照頂いたタイミング上記事が著しく古い場合は、公式情報を再検索頂くことをお願い申し上げます。

また、本記事の最後に簡単な2択アンケートを載せてみましたので、もしよかったら解答してみてください。

 

もう2017年も12月終盤になって参りました。

初めて関東での冬を体験しますがなかなか寒いです。

 

これから年末年始にかけて自分の時間が増えてくる方も多いのではないでしょうか。

今回は、テクニカルな内容ではなく、スキルアップに関連するお話です。

是非、学生気分に戻って、休みの間に勉強したくなった!という方は是非VMware製品を学習してみては如何でしょうか?

 

お題:VCP-DCVの取得条件について

今回の記事は、以下のページをソースとして作成しています。

mylearn.vmware.com

https://mylearn.vmware.com/mgrReg/plan.cfm?plan=100942&ui=www_cert

 

VMware Certified Professional”、通称VCPですが世の中では、VMwareのスキルセットを他者に示すための資格として大変有名ですよね。

他のITベンダーでも多くの資格が存在しますが、VCPについては取得条件が特徴的です。

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また、現在では”ただ単にVCP"とだけ呼ぶと、”サーバーの仮想化資格”という印象の人が多い気がしますが、現在では4種類のVMware認定資格が存在します。

名称としては、VCP-◯◯◯、のようにハイフン以降の名称で各種類を示します。

 

今回は、特にVCP-DCV(Data Center Virtualization)を初めて取得する方向けに記事を書いてみたいと思います。

まず以下のキャプチャは公式な資格情報ページからの抜粋です。

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上から順に訳すと次の通りです。

  1. vSphere 6.5の経験を積みましょう(最低6ヶ月を推奨)
  2. 認定を受けているトレーニングセンターで、必須トレーニンを1クラス受講する
  3. 次のうち、どちらかの試験に合格する
    vSphere 6 Foundation または vSphere 6.5 Foundation
  4. 次の試験に合格する
    VMware Certified Professional 6.5 - Data Center Virtualization

vSphere 4やvSphere 5の時代からVCPを取得してきたシニアなエンジニアからすると、

"vSphere Foundation"という試験名は聞き慣れないかもしれません。

 

現在では、一般的にVCPと呼ばれる認定を受けるためには、2段階の試験を受験する必要があります。(この点はvSphere 6からの変更です)

 

次に重要なのは、”必須トレーニング”ですが、次の中から1つでもトレーニングを受講されていれば、本資格認定試験合格後に、認定を受けることが出来ます。

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こんなに種類があるんですね。特にこの中では、"Install, Configure, Manage"というコースが入門コースとして大変有名ですね。

それ以外にも、中級コースの”Optimize&Scale”を受講後でも、VCP認定の条件を満たすことが出来ます。

更に上級としまして、”Troubleshooting Workshop"もあります。

 

自分がどのレベルにいるのか、それぞれのコースでどのような内容なのか、を知りたい方は、是非VMware 教育チームのコース詳細ページをご覧ください。

コース詳細 - VMware

ページアクセス後、以下の”内容”をクリック頂ければトレーニングコースの詳細が閲覧出来ますので、受講コースを決める際は、こちらを参考に頂けるとよいと言えます。

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以上で今回のまとめに入ります。

  1. VCP6.5-DCVの取得条件は次の通り
    - 指定されたトレーニングのうち、1つを受講する
    - "Install, Configure, Manage"だけでなく、"Optimize&Scale"や”Troubleshooting Workshop”でも可
  2. 2つの試験にPassする
    - vSphere Foundation 6 または 6.5
    - VMware Certified Professional 6.5

以上です、資格を取得すると、キャリアアップやモチベーション向上、自信がつく、などポジティブな結果がついてきますので、是非一つの学習目標になれば幸いです。

徹底攻略VCP6.5-DCV教科書 VMware vSphere 6.5対応

徹底攻略VCP6.5-DCV教科書 VMware vSphere 6.5対応

 

最後に、VMware Educationチームにて投稿されている、”vSphere Opmize&Scale”の魅力が分かる、記事を2つ紹介致します。

 

以下の記事内にも書かれていることですが、VCP-DCVのクイズも、こちらのコースをベースとした物も出てきていますので、試験対策という意味でも、実務という意味でもお勧めです。

blogs.vmware.com

blogs.vmware.com

ちなみに、今回簡単なアンケートを作ってみましたので、もしよかったら解答してみてください。

VMware NSX Advantages / Benefits

This article shows you my personal opinion for VMware NSX. it is not related specific company and not represent comment from any organization.

And I'm studying English now. so if you feel difficult to understand my article, sorry for any inconvenience for you.

 

This article is written in English for my trainees in future and friends oversea. 

 

First of all, most people think it is difficult to explain "real VMware NSX Advantages / benefits" to other.

 

Especially, when compare it to vSphere and vSAN (server virtualization and storage virtualization), more difficult to understand it.

Becasue using these two types of virtualization, IT admins can reduce counts of hardware device in their LAB/Datacenter.

In vSAN's case, they can eliminate all SAN storage, it is up to customer site character.

 

In network virtualization, we must use phyisical network device to keep under-lay network. so these general benefit for server/stoarge virtualization is not always match for network virtualization.

 

For people wants to easy understand for NSX advantages and benefits, I made this chart.

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◯=Easy to feel benefit icon

Consideration

  • This chart is made based on VMware NSX 6.2. After upgrade & change function, you need modify this chart.
  • From other people view point, he or she may think need add/remove ◯ from this chart. This chart is show my individual opinion.

Key point is, "User should understand benefits by different view."

 

<Bad explain scenario>

For instance, it is meaningless to explain about traffic reduction benefit to non-technical staff.

 

<Nice explain scenario>

For financial staff, sales person should explain hardware maintenance costs reduction.

For network administrator, sales person should explain integrated management benefit. (no more multiple vendors UI, no more support team phone number to multiple vendors)

 

I hope this chart will be help your VMware NSX promotion activity.

VMware NSX メリット まとめ

vExpert Advent Calendar 2017 第4弾です。

adventar.org

 

vExpert新人ということで、2017年のアドベントカレンダーは記事を一番多く書いてみようと思い頑張ってみました。

 

VMware製品について多角的にアプローチしてるブログを目指しているので、今回はネットワークの仮想化と言えば、VMware NSXということでNSXのメリットをサマライズしてみました。

 

私個人の意見かもしれませんが、NSXのメリットや活躍のポイントと言うのは、vSphereやvSANと違い、少々伝わりづらい物があるように感じます。

これら2つについては以前に記事にしたように、物理的なデバイスの削減という様に、目に見えて明らかな変化がある一方で、ネットワークはこのメリットが必ずしも顕著には当てはまらないケースがあります。

(アンダーレイのネットワークは必須ですしね)

 

そこで、今回は複数の側面から、VMware NSXの魅力について次のように纏めてみました。

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◯=特にメリットを感じやすい項目を示す

VMware NSXは、メリット解説は文章ベースでは多く存在するも、視覚的に俯瞰した立ち位置でこれを理解出来る情報が少ないと感じ、今回突発的ではありますが作成してみました。

この表については、閲覧者の立場によっては少々見方が変わる所はあるかもしれませんし、今後のVMware NSXのリビジョンによっても変動する可能性がある事は、前もって承知の上で参照ください。

 

ここでのキーポイントは、”多角的な視点”によってVMware NSXのメリットを捉える必要があるということです。

 

例えば、経営者に対して”ARPが減る”、”ヘアピンネットワークの回避”と説明したとしてもメリットは伝わりづらいものです。

※このメリットはネットワーク管理者など現場サイドに伝えるべき内容ですね。

 

非技術的なステークホルダーにはコストや管理性、それによって副産物として生まれるビジネスの加速のための時間とお金をセーブ出来る、などの方が聞こえが良いでしょう

 

今回のこの表は、VMware NSXの導入を推し進める方にとって、メリットの再認識、お客様へのクリアな説明のヒントになってくれればと思います。

 

VMware Cloud on AWS - vMotionが実装されます!(5行で分かる!AWS re:Invent 2017 for VMware)

今回はvExpert Advent Calendar 2017 第3弾です。

adventar.org

先日、AWS re:Invent 2017にて、VMware Cloud on AWSに関するアップデートが発表されました!

reinvent.awsevents.com

 

5行でわかる、VMware Cloud on AWSの新機能 from AWS re:Invent 2017

  • 第2のリージョンとして、”北米東部(バージニア北部)”によるサービス提供が開始されました。
  • オンプレミスとクラウドクラウド環境を接続するために”AWS Direct Connect”が利用可能になります。
  • オンプレミス=クラウド間での"vSphere vMotion"による仮想マシンの無停止移動が可能になります。
  • オンプレミス=クラウド間での"VMware Site Recovery Manager"による仮想マシンのフェイルオーバーが可能になります。
  • AWS上の”Availability Zone”間での”VMware Site Recovery Manager”によるDRが可能となります。

今回のアップデートは、”オンプレミスとAWSの接続”というタイトルがふさわしいですね。

現在では、日本リージョンのサービスはまだ開始はされていませんが、来年には日本でのサービス開始も予定されておりますので、徐々に利用イメージが湧いてくるのではないでしょうか。

 

今回紹介した機能のうち、2つを関連URLで紹介したいと思います。

aws.amazon.com

blogs.vmware.com

 

早くHands on LABなどで環境を触れないか、楽しみです:)

IT初心者のための仮想化のメリット - (物理環境の課題編)

今回は2017年 vExpert Advent Calendar 第2弾です。

adventar.org

今回は、初心に帰りまして、仮想化のメリットをよりわかりやすく説明出来ればと思います。

 

特に物理サーバー、物理システムとの対比ということで大きく2つの利点を挙げたいと思います。私個人が特に感じる仮想化の利点は次の通りです。

  • システムのデプロイの時間短縮
  • 物理的な設置作業が楽になる

1. システムのデプロイの時間短縮

例えば、物理システムに対してOSをインストールするのには通常30分~1時間くらいの時間がかかります。(勿論OSの種別やハードウェア構成により時間は依存します)

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インストールウィザードの時間はシステム次第ですが、30分~1時間くらいかかりますよね

但し、ここに至るまでには次のような下準備があって初めてインストール作業が開始出来るわけです。

まず、システムに対する互換性というのを確認しないといけません。

  • OSとサーバー
  • OSとNIC、ストレージアダプター
  • OSとSANストレージ

以上のように物理サーバーごとに例えば次のように複数の点においての互換性を気にする必要があります。例えば社内に50台サーバーが存在する場合は、最大で50回この作業を行う必要があります。(Windows Server, Linux, などなど)

例えばWindows Serverに対し、Dell PERC H730PというRAIDコントローラーの互換性を調べる場合は次のページを確認します。

Windows Server Catalog - for Dell PERC H730P

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ファームウェアとドライバーバージョンの指定がされていますね。

このような作業を、サーバーに搭載されているデバイスの数、デプロイするサーバーの数だけ行う必要があります。インストールするOSの種別が多ければ多い程、調査に要する時間は比例的に増えていきます。


仮想化を採用してしまえば、VMware vSphere ESXiに対しての互換性をチェックしてしまえば、確認にかかる時間は大幅に短縮されると言えます。

VMware Compatibility Guide - System Search

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こちらのページから、x86サーバーに対し、互換ハードウェア及びBIOSなどの検索が可能

メディアなどの記憶媒体は、昨今セキュアである環境への重要性が高まっている状況では持ち込み許可が簡単には降りないケースも珍しくはありません。

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OSメディアなども記憶媒体という位置づけであり、持ち込み制限対象となるケースも・・・

特にOSメディアは、OSインストール時にフォーマット(ストレージデバイスの初期化)が行えてしまいますし、それによってデータロストなどが発生してしまうなども怖いですよね。

 

更には、ファームウェアやドライバーインストールなどは、ハードウェアベンダー、デプロイされているオペレーティングシステムによっても更新手法が異なりますので、ここでも手順書の作成やシステムごとの違いにより、異なる手順を覚えるのも時間的にロスが大きくなります。

 

最近では、どのベンダーもOSが未インストール状態でもファームウェア更新が出来るような仕組みがハードウェアに組み込まれていたりします。

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Dell EMCの場合は、Lifecycle Controllerと呼ばれるUEFIベースの機能によりBIOSNIC、HBAのファームウェアなどの更新が出来ます。

 

ここまでの内容について言えば、ESXiを導入する際にも、ESXi向けに同様の確認や準備は必要とは言えますが、仮想化の場合、ゲストOSレベルでのこれらの調査は不要または限定的な状況に於いて必要となるため、大幅な準備時間の短縮になると言えます。

 

また、忘れてはならないのは仮想環境には"クローン”や”テンプレート”という、数クリックで同一のシステムをデプロイ出来てしまう機能もありますね。

 

2. 物理的な設置作業が楽になる

この点について言えばシンプルです。

仮想化=物理サーバーの台数縮小化と言うのは有名なメリットです。

 

そして、物理サーバー環境における典型的な課題は次のようなイメージです。

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ケーブリングって結構大変なんですよね・・・

見ての通りですが、大量のケーブルです。

当然ながらこれらよろしくない例です。

 

ケーブルの壁が、排熱の妨げや保守作業の妨げになります。

 

以前に私がコールサポートエンジニアだった時代に、お客様から"背面がケーブルだらけでケーブルの抜き差し作業が出来ません”と言われたことがありました。

 

少し話を元に戻しますと、物理サーバー1台辺り、例えば次のようなケーブルが存在するわけです。

ストレージの利用有無と性質次第でケーブルの種類は変わりますが、例えば電源装置が冗長化されているような環境では、2本の電源ケーブルが登場するなど、本数も1台のサーバー辺りでも複数本になります。

ケーブルが増える=差込口についても考慮要となるわけですから、ネットワークスイッチもポート数が足りなくなったり、あるいは電源についても同様のことが言えます。

 

また、システム自体は重量もある程度あるため、ラックへの搭載作業も基本的には複数名で行うことが大前提となります。

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マウントするラック段数が高所の場合は、十分に気をつけましょう。

Dell PowerEdge R740xd 設置および操作マニュアル

 

仮想化をすることで、設置台数を減らせるため、こうした作業工数も減りますね。

また、台数が減る事で次のような利点も生まれますね。

  • 排熱が減るため、サーバールームの空調費用がコストダウン
  • 電源利用元に当たるサーバーが減るため、電気代が減る
  • 物理サーバーが減るため、保証管理対象が減る
  • ラックに搭載する機器が減るため、ラック設置時の予測積載量が低減する

仮想化をすることで単純にコストが減るとは言いますが、具体的にはお客様の視点ではこれらの利点があるということですね。

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何気なく搭載されているシステムも、多くの人の手による作業のおかげによるものです。

今回はこれで以上となります。

仮想化は確かに素晴らしく、今後もITインフラを支える標準的なシステムとなると思いますが、これは裏を返せば、物理サーバー環境に於ける問題提起があったからこそ生まれたものだという裏付けにもなりますね。

 

勿論物理サーバー環境にも良い点はあると言えますので、それぞれの性質を理解した上で、仮想化が適する環境には積極的に仮想化を利用して頂きたいと思います。