VMwareな日々

VMware環境関連の管理者/導入/トラブルシュートなどに役立ちそうな情報を備忘録として掲載とその他を少々投稿していくブログ

ESXiのインストール先の選び方

少し早めの夏休みを頂いて数日。インターネット接続が出来ない地域にいたため、更新が出来ておりませんでした。

 

今回は夏休みにちなんで自由研究的なネタを1つ書いてみました。

お題:ESXiのインストール先について、どこに入れると良いのか?選び方はどうするか?

 

トレーニング受講生との会話の中で、”どの設定が良いのか?”など、常に最良、最適な選択肢を尋ねられるケースは多くあります。

ですが、何においてもですが、用途は評価する視点によって、最良最適はその時々で変わるものです。

今回は、ESXiのインストール先について、ちょっとした実験を行いましたので、それを元に考察を書いてみます。

 

まず、ESXiのインストール要件をマニュアルで確認をしてみましょう。

ESXi のハードウェア要件

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まずは何と言っても、ESXiはインストールのフットプリント(必要領域)が少量である点が魅力です。

これにより、USBメモリスティックやSDカードという選択肢が生まれます。

つまり、まずはローカルデバイスとしては次の選択肢があるという事です。

  1. HDD/SSDなどのSATASASドライブ
  2. USBメモリスティック
  3. SDカード

以降、3つの項目に対し考察を記述して行こうと思います。

 1. HDD/SSDなどのSATASASドライブの場合

利点は次の通り

USBメモリスティックやSDカードと比べ、容量が大きいため、スクラッチパーティションを配置が出来る

・RAID1構成の場合は冗長化が出来るので、RAID構成ディスクの単一障害時にESXiの動作停止を免れる

・サーバーによっては、その前面からの着脱が可能、交換作業時にシャーシを開けるなどの作業が発生しない

イメージ図

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注意点は次の通り

・SDカードやUSBメモリスティックと比較した場合、金銭的コストが高い

・筐体前面でRAID1を構成しESXiをインストールする場合、それに参加するドライブを仮想マシン保存用に割り当てることが出来ない場合がある。
特にvSAN等の場合は、次のナレッジにもあるように、制限がある。このため、システムのデザインによっては、仮想マシン保存に使える領域が減ってしまうケースがある。

kb.vmware.com

2. USBメモリスティックの場合

利点は次の通り

・コスト安なデバイスである(最低1GBから利用が可能である)

SAS HDDやSSDなどと比べ、汎用的なデバイスなので交換デバイスを準備し易い

・シャーシ内のUSB接続端子がある場合は、よりセキュアにESXiの導入が出来る

イメージ図

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注意点は次の通り

冗長化が出来ない

・シャーシ内にUSBメモリスティックを搭載した場合は、交換時にはシャーシを開ける必要があるため、ハードウェアの構造や設置環境等によってはラックからのアンマウントやシステムの停止などが必要となる

・準備したデバイスのサイズによっては、スクラッチパーティションUSBメモリスティック内に持てない

kb.vmware.com

3. SDカードの場合 

メリットは次の通り

・コスト安なデバイスである(最低1GBから利用が可能である)

SAS HDDやSSDなどと比べ、汎用的なデバイスなので交換デバイスを準備し易い

・シャーシ内のSDカード接続端子がある場合は、よりセキュアにESXiの導入が出来る

・ベンダーにもよるが、冗長構成が可能である。Dell EMCの場合は”Internal Dual SD Cards Module”、通称IDSDMでは、SDカードのミラーリングが可能である。

イメージ図

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http://ja.community.dell.com/techcenter/m/mediagallery/3023/download

注意点は次の通り

・SDカード搭載機能は、ベンダーによるがオプションである場合がある。

・搭載箇所が、シャーシ内の場合には、USBメモリスティックと同様だが、着脱のためにシャーシのラックアンマウントやシステムの停止を伴うケースがある

これはメーカーやシステムのデザインに依存するため、導入前には交換時の注意点を事前把握しておくことが必要である

以上です。これらを総称して言えば、次のように解釈が出来ると言えます。

 

・保守時の交換工程上、ダウンタイムをなるべく避けたい場合はHDD/SSDにESXiをインストール(USBメモリやSDカードと違い、HDD/SSDはホットプラグかつRAID1の場合はシステム無停止での交換が出来るように、システムが設計されている場合がほとんどである)

SSD/HDDを少しでも仮想マシン保存に利用したい、システムに対する容量を優先する場合は、USBメモリスティックかSDカードにESXiをインストール

・システムログの保存場所をESXiの保存領域と同一にしたい場合は、準備するデバイスの容量を一定以上にする必要がある。(ナレッジに基づけば、最低5.2GBは必要である)

付録:スクラッチパーティションを持たないUSBメモリスティックの障害

今回このテーマを選んだ理由としては、実は上記の付録を紹介したかったのが主な理由です。

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一般的に、OSはブートされる際にインストールデバイスからメモリ上にロードされます。

以降、OS上で発生した変更は通常、ディスクに対しReadやWriteという形で保存されます。

 

例えば、”イベントログ”は、常時システム上で発生したイベントを情報、警告、エラーなどのレベル分けを行い、保存されていきます。

ですが、ESXiの場合、そうしたイベント情報保存先である”スクラッチ パーティション”は、USBメモリスティックやSDカードのようなサイズが小さなデバイスでは、非永続ストレージである”RAMドライブ”上へ保存されます。

つまり、メモリ上ってことですね。

 

この点を応用して、次の検証を行ってみました。

検証:ESXi(USBメモリスティックに導入済み、スクラッチパーティションは無し)が起動している状態で、USBメモリスティックをシャーシから抜去すると、システムは落ちるか?

 

システムの応答性は次の手法で確認をしました。

  1. USBメモリスティックの抜去前から、Windowsホスト→ESXiのvmkernelポートに無限Ping(-t オプション)を行い、Pingが切れるかどうか
  2. USBメモリスティックの抜去前後で、vSphere Host Clientから操作が出来るか
  3. USBメモリスティックの抜去前後で、DCUIの監視
  4. 該当のESXiホスト上の仮想マシンの稼働状況を、コンソールで監視し仮想マシンが停止していないかどうか

今回は検証の様子の写真がありませんが、後ほど時間があればアップしたいと思います。

結論としては、USBメモリスティックを抜去後、次の結果が得られました。

  1. Pingの切断は、USB抜去前後で無し(瞬断も無し)
  2. vSphere Host Clientでの操作は、USB抜去前後でセッション切れもなく正常動作
  3. DCUIは、USB抜去前後で正常動作
  4. 仮想マシンは、USB抜去前後で正常動作

ということで、結果ESXiはダウンしませんでした。これは一度ブートしてしまったESXiについて言えば、ReadもWriteもUSBメモリスティックに対して行われていないため、今回のような結果が得られたと言えます。

 

ですが、今回は極めて限定的かつ短時間での検証であったため、例えば以下のようなケースであれば、また話は変わる可能性も想定されます。

  • 該当検証後、ホストに対しvmkernelポートを増やしてみる
  • 該当検証後、ホストに対しデフォルトゲートウェイDNSの設定値を変更してみる
  • 該当検証後、ホストに対し新規の仮想マシンを作成してみる
  • 該当検証後、ホストに対し他ホストから仮想マシンをvMotionで移行してみる

クラッチパーティションはなくとも、ホストが持つ設定ファイル類はインストールデバイスに対し存在しますから、これらに対しRead/Writeが発生する動きを行う場合は、ホストが停止する可能性は十分にあると言えます。(タイムアウトなどによりパープルスクリーン辺りでダウンするのでは?)

この点については後日検証を行い、また今回のようにレポートをしてみたいと思います。

 

なお、この記述自体は、原時点では検証途中であり、スクラッチ パーティションが無いUSBメモリスティックでのESXiホストの導入を推奨するものではありません。

基本的な動作、アーキテクチャに基づく動作検証の結果レポートに過ぎませんのでこの点はご容赦ください。