vSphere Replication まとめ(2017/08/09時点)
vSphere Replicationに関する情報ソースまとめと簡単なFAQ集です。
本記事では、VMware社公式なソース、私の検証に基づく情報が掲載されます。
公式ソースの情報更新や製品のバージョンアップなどによる仕様、動作変更なども将来的にありえるため、タイムリーなキャッチアップが出来ていない場合も想定されます。
この点はご容赦の上、本記事をお読み頂けますと幸いです。
公式ドキュメント、ソース集
VMware vSphere Replicationのドキュメント
便利なリンク集
vSphere Replicationの基本的な動作や設定、レプリケーションの基本的な考え方を学べるリンク
RPOやRTOなど、レプリケーションの基本も学べます。
vSphereがネイティブに提供するデータ保護ソリューションには、2種類があります。
vSphere Data ProtectionとvSphere Replicationです。その違いを、わかりやすく説明頂いているページです。
内容が難しすぎずシンプルなのでとても読みやすいです。
FAQ
- vSphere Replication自体はどのように導入するのか?
アプライアンスがVMware社より提供されているため、それを入手し既存のvSphere基盤上にデプロイをします。こちらがアプライアンスのダウンロードリンクです。
- 今までvSphere Replicationを利用していなかったが、興味がある。
導入には追加コストはかかるか?
お手持ちのライセンスが、vSphere Essential Plusであれば、導入に必要なライセンスを持っていることになります。Enterprise Plus、ではありません。Essential Plusです。 - vSphere Replicationにはバージョンがあるが、既存環境に対し適切なバージョン、導入ができるバージョンがわからない
VMware相互運用ガイドを確認すれば、一目瞭然です。
以下のように、vSphere ReplicationとvCenter Serverという名称をプロダクト名の入力箇所に入れます。
VMware Product Interoperability Matrices
そうすると次のような一覧が表示されます。
例えばvCenter Server 6.0.0のお客様はvSphere Replicationの6.1または6.0がサポートバージョンとなるわけです。
- レプリケーションと言えば、ディザスタリカバリーサイトなどの、別サイトに対する印象があるが、同一サイト内でのレプリケーションも可能か?
可能です。以下のドキュメントを参照ください。なお、レプリケーション元、先はいずれもクラスタであることが前提です。
https://docs.vmware.com/jp/vSphere-Replication/6.5/vsphere-replication-65-install.pdf
- ストレージ側のレプリケーションとどう違うのか?また利点は?
例えば次のような点が利点だと言えます。
1. ベンダー依存無しでのレプリケーションが可能(A社、B社間ストレージでレプリケーションを実現)
2. LUN単位ではなく、仮想マシン単位でのレプリケーションが出来るため、高粒度、容量効率が良いレプリケーションとなる
3. vSphere Web Clientなどを始め、vSphereネイティブなインターフェースで操作が一元化される
4. サポートが、VMwareサポート窓口となる。(OEMライセンスの場合はOEMベンダー内のVMwareサポートという意味合いも含みます)
ストレージ側の機能でレプリケーションを利用する場合は、サポート窓口がストレージベンダーになります。 - レプリケーションのスケジューリング時間設定は可能か?
現状は、RPO(Recovery Point Object)をベースにスケジュールはセットされる。
* RPO=データに問題が生じた場合に、どれくらい前のデータがあればよいかという意味です。
例えば、RPOを1時間とした場合は、1時間前のデータがレプリカとして保存されるよう定期的にデータが同期される形となる
レプリケーションの定期実行タイミングはvSphere Replicationによって内的に保持され、
RPOに基づいた継続的なレプリケーションが実行されます - 時間帯に対するレプリケーションの帯域幅調整機能はあるか?
一般的なハードウェアストレージには、上位機能などで午前や午後、曜日などの指定で、レプリケーションに利用する帯域幅を調整する機能がありますが、vSphere Replication自体が、ネイティブにこの機能は保持していません。
ESXiのインストール先の選び方
5分でわかるvSAN 6.6.1
しばらくぶりの更新となりました、お待たせしました皆様、お待ち頂きありがとうございます
現在早めの夏休みを頂いており、その間も出来るだけ情報を配信していきたいと思います
まずは、vSphere 6.5 update 1がリリースされましたが、それに伴いvSAN 6.6.1がそれに含まれる形でリリースされました😄
https://blogs.vmware.com/virtualblocks/2017/07/27/introducing-hci-powered-by-vsan-6-6-1/
まさかの6.6.1と3桁目突入でやや驚きました
肝心な内容については次の通りでした
- vSphere Update Managerを利用したvSANのバージョン管理が可能となる
- CEIP(カスタマーエクスペリエンス改善プログラム)に参加をしていれば、パフォーマンス診断機能を利用した場合に、その結果に対しVMwareからの情報を比較し、フィードバックを受けることができる
- 一部のパススルーモードのコントローラーにて、ドライブのロケーターLEDが利用可能となりました
以上です。今回は管理面での機能強化ですね。
また、1, 2についてはクラスターに対し、インターネット接続が必要となるそうです
<参考情報>
- VMware vSAN 6.6.1 Release Notes
- vSphere 6.5 U1 is out... and it comes with vSAN 6.6.1 - Yellow Bricks
EVCに関する基本設定と考察と検証
<著者からのお願い>
本記事の改訂版として以下のリンク内に更新記事を掲載しております。最新の情報をご確認頂くため、こちらのリンクをご覧ください。
なお、はてなブログ上の本記事については今後更新は行いませんので、ブックマークなどをされている読者様は、恐れ入りますが新ブログを改めてブックマーク頂くようお願い致します。
vSANクラスターの理想形、推奨とは?
本日はvSphere 6.5 ICMコースのDay4です。
昨日はvSANのレッスンで、少し話し過ぎて受講生の方と白熱してしまいました(笑)
さて、しばらくvSANネタは封印しようかなとも思いましたが、また質問が出ましたので備忘録として記載します
お題: vSANって、ノードの構成は揃えるべきなのか?VMwareからの視点ではどうなのか?
回答はこちら、vSAN 6.2 Design and Sizing Guideより抜粋
近いまたは同一な構成にするようにと記載がされています
これはvSANに限ったことではありませんね。
クラスターのコンセプトは、障害が起きてもファールオーバーにより、サービスの継続性を保持することにあります
例えばこんな構成のクラスターがあるとします
- ノード数は2, 仮想マシンが各ノード上で一台ずつ起動している
- 物理メモリは左側のホストは20GB, 右側のホストは10GB
- 仮想マシンのメモリ構成はいずれも10GBです
- スペースの兼ね合いで記載してませんが、共有ストレージに、2台の仮想マシンは保存されていて、両ホストからそれらはアクセス可能とします
- スマホで通勤中に書いたので、絵のクオリティはご容赦ください(笑)
この場合、ノードダウン時のシナリオは次のように異なります
- 右のノードがダウンした際は、その結果その上で動いていたVMは、左側のノード上で起動が出来ると言えます。理由としては左のノードが持つ物理メモリの搭載量が20GBであり、2台の仮想マシンを受け入れるリソースがあります
- 左のノードがダウンした際は、その結果その上で動いていたVMは、右側のホスト上で起動が出来ません。理由としては右のノードが持つ物理メモリの搭載量が10GBであり、2台の仮想マシンを受け入れるリソースがありません。
以上です。なお、今回のvSANのソースは6.2ですので、先々のバージョンアップでこれらの考え方は変化するかもしれませんので、最新の情報も是非皆様合わせてご確認ください。
と言うことで、今日は通勤の間だけでスマホ一つで0から書いて見ました。
今日もトレーニング頑張ります😄
Read morevSphere Data Protectionの基本と今後について
<著者からのお願い>
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なお、はてなブログ上の本記事については今後更新は行いませんので、ブックマークなどをされている読者様は、恐れ入りますが新ブログを改めてブックマーク頂くようお願い致します。
vSphere 6.5の新機能(vCenter Server Applianceのネイティブバックアップ機能)
さて今週から、vSphere 6.5 Install, Configure, Manageをはじめました。
今まで6.0の提供だけでしたので、色々と変更点も多く楽しくトレーニング初日を迎えました。
さて、本題です。今回は受講生からの質問ではなく想定問答対策です。
お題:vCenter Serverのバックアップが6.5では、ネイティブな機能で提供されるようになったが、これによって取得されるデータの範囲はどこまでか?
バックアップ、IT管理者の永遠の課題ですね。
特にバックアップアプリケーションはサードパーティーでの販売もあれば、ご本家からのネイティブな機能の提供などもある場合、どれを使えばいいか、など管理者の方の悩みは尽きません。
今回は、トレーニングコースには、"vCenter Server 6.5のネイティブバックアップ機能"の紹介が含まれるため、その性質について紹介をしたいと思います。
まずこの機能はアプライアンス版vCenter Server限定です。
つまり、Windows版のvCenter Serverには無い機能です。
次に、この機能で取得出来るバックアップですが、バックアップ対象は”vCenter Server”と"Platform Service Controller(以降PSC)"です。
vCenter Server 6.0以降は、vCenter Serverのアーキテクチャとして、PSCが登場しました。ライセンスの管理やVMwareディレクトリなどを保存、管理してくれるサービスの集合体です。
これらの2つのデプロイモデルは、2パターンです。
もし、単一のVMに対し2つの機能をデプロイする場合、1回のバックアップでOKです。
もし2つのVMに対しこれらの機能をデプロイする場合、それぞれで1回ずつバックアップを取得する必要があります。
今回紹介するバックアップ機能は、次のURLからアクセスしたページ上で行います。
(赤=単体VMへのデプロイ時のURL、青=別々にデプロイした際のそれぞれのURL)
こちらの画面が、上記URLでアクセスをした際のログイン画面です。
ログイン時には、vCenter Server Appliance及びPSCのローカルユーザー認証情報を入力します。(Administrator@vsphere.localではありません)
ログインを終えると、次のような画面が表示されます。後は赤枠で囲ったバックアップボタンから、バックアップを行います。
この画面はvCenter Server ApplianceもPSCも共通です。どちらにログインをしているかを確認したい場合は、以下の箇所で判別が可能です。
左がvCenter Server Applianceであり、右がPSCであることが確認出来ます。
最後に本バックアップを行う上での考慮事項です。
この点については、最新の情報が欲しいという方は、VMwareよりリリースをされている”vSphere のインストールとセットアップ”という名称のユーザーズガイドを参照ください。
ブログにて内容を纏めても良いのですが、今後の製品アップデートなどで考慮事項が変化する場合、記事が最新でない可能性を回避するためです。
例えば、"vSphere 6.5 Update1"のガイドの場合は、以下のように制限事項が283ページに有ることが分かります。
vSphere 6.5 Update 1 vSphereのインストールとセットアップ PDF版
(リンクが切れておりましたら、お手数ですが検索エンジンにて検索頂けますと幸いです)
バックアップによって保護されるデータは次の通りです。
本手順以外にバックアップ取得が必要なものはあるか?
例えば、vCenter Serverで管理している”分散スイッチ”は、上記バックアップには含まれますが、バックアップ取得後に変更を行った場合は、その変更差分を分散スイッチ側のエクスポート機能で取得をするように、と紹介がなされています。
本手順については、以下のKBを参照ください。
vSphere Web Client を使用した Distributed Switch 構成のエクスポート/インポート/リストア (2096643)
以上のように、本機能はあくまでもvCenter ServerとPSCに対する機能と言えますので、ユーザーの構成や環境によっては、この機能以外での追加バックアップも検討をする必要があります。
最後にこの機能のコンセプトですが、やはりVMwareネイティブという所がポイントです。サードパーティのバックアップアプリケーションなどもありますが、トラブル時に問い合わせ先が増えるのは管理者としては負担が増える一方です。
またサードパーティアプリケーションの場合は、別途ライセンス購買費用などがかかるケースもあります。
コストエフェクティブ、シンプル、このキーワードがぴったりな機能だと言えます。