VMware NSX と ネットワークエンジニアの働き方
本日無事にVCP6.5-DCVの受け終わりまして、漸くVMware NSXに集中出来ます。
折角なのでNSXの事もブログに書こうと思いましてこの回に至るのですが、vSAN同様に素晴らしいブログも多く、ネタ探しも大変なわけです。
そこでまず”VMware NSXを導入すると、ネットワークエンジニアの働き方がどの様に変化するか”を私なりに考えて見たいと思います。
※これは私個人の意見ですので、人によってはまた違った解釈などもあるかもしれません。
お題:VMware NSXは、ネットワーク管理者の在り方をどのように変えるか?
まずお題に入る前に、私が特に強調したいのは、NSXはサーバー管理者とネットワーク管理者のためのソリューションだと考えています。
vSANの場合はこれが違います。
vSAN=サーバー管理者がストレージ管理を行う
NSX=サーバー管理者とネットワーク管理者でインフラを管理を行う
vSANの場合、基本的に既存インフラからSANストレージを無くすことが出来ます。
しかしNSXの場合、スイッチやルーター、LANケーブルが無くなるか、と言われればそんなことは有りません。(vSANであれ、SANであれ、スイッチは必要ですよね)
VMware NSXのコンセプトをvSAN同様に考えてしまうと、ネットワーク管理者からすると”自分の今まで培ったスキルが活かせない”、”VMware NSXを導入する事で自分の仕事が他の人に奪われるのでは”と考えてしまうかも知れません。
既存のネットワークインフラでは、レイヤー毎に製品が異なり、その為管理チームが違い、縦割りな管理形態とスキルセットにより運用がされており、これにより環境のデプロイ速度の鈍化、チーム連携が難しい、サポートが必要な時には複数のベンダーに問い合わせるなどの潜在的な問題があったと言えます。
こうした課題を解決してくれるのがVMware NSX だと言えるでしょう。
- 単一製品でレイヤー2-7までを対応出来る
- 単一製品なので、レイヤー間で操作性も大きな違いがない
- シングルベンダーなので、問い合わせ先もシンプル化する
- 仮想マシンが主役なので、物理スイッチのポート数やケーブルの種別やケーブリングなどによる管理負荷が減る
こうして見ると、ネットワーク管理者の業務がシングルレイヤーに対する管理から、マルチレイヤーに対する管理にシフトしていると言えます。
一言に、"ネットワークエンジニア”と言いましても、会社毎に業務範囲も違うでしょうから、その点はご容赦頂けると幸いです。
ここまでで私がお題に対して申し上げたい結論は次の通りです。
- VMware NSXを導入したからと言って、社内ネットワークエンジニアの業務タスクがなくなる事はない(アンダーレイネットワークは無くならない)
- VMware NSXの管理にはシングルレイヤーからマルチレイヤーネットワーク管理スキルが必要となる(ネットワークエンジニアのワークロードがシフトすると言える)
- 殆どのネットワーク管理レイヤーが、VMware製品として統合されるため、製品の互換性などを考えたり、ベンダー毎の保証レベルやサービスレベル、または保守契約やインシデント管理をする必要がなくなる。(シングルベンダーなのでインシデント対応のシンプル化)
以上です。VMware NSXとの付き合い方というのは、これまでのネットワーク管理者の課題を新しいカタチで変えてくれるものだ、と言えるのではないでしょうか。