Ruby vSphere Consoleの使い方(vsan.resync_dashboard編)
もう間もなく、このRVCのvsan.support_infoシリーズも終わりを迎えます。
回を重ねるごとに、新しい発見もあるので、なかなか楽しくブログを書くことが出来ました。
さて、今回のコマンドは"vsan.resync_dashboard"ですが、vSAN 5.5ユーザーの方はお世話にならざるを得なかったコマンドだと言えます。
そして、vSAN 6.0以降はこのコマンドに相当する機能が、vSphere Web Clientに登場しました。
このコマンドでは、コンポーネントの再同期の様子、進捗をモニタリングすることが出来ます。
従来のRAIDで言えば、リビルドの進捗を見る、ストレージ管理ツール、とでも言えます。
さて、まずコマンド出力の様子を確認してみましょう。
非常に見た目はシンプルですね。項目としては次の2つが閲覧出来るようです。
- 同期中のオブジェクト数
- 残る同期のデータ量
続いてGUIでの同じ画面を見てみましょう。
このような画面です。項目としては次の内容が確認可能です。
- 同期中のオブジェクト数
- 残る同期のデータ量
- 同期の完了目安時間
これらの図では、同期が走っていませんでしたので、強制的に再同期が走るケースを作り出したいと思います。
■シナリオ■
VMを1台作成し、RAID1, FTT=1で保護する。コンポーネントを保護するホストをメンテナンスモードにし、同期を誘発させる。
★補足★
vSANではホストレベルの障害は、即時障害扱いとはなりません。障害の種類が2タイプあり、”不完全(Absent)”と呼ばれる症状として認定され、デフォルトでは60分間の障害検知タイマーがタイムアウトしてから、再同期動作が走ります。
ですので、まずこの値を変更しておきます。デフォルト値の60が入っています。
ここを1に変更すれば、メンテナンスモード投入後、1分で再同期が走ると言えます。
↓
この後CLOMDサービスを再起動します。詳細はこちらをご確認ください。
準備が整いました。
現在"Test-VM"のコンポーネントは1号機、3号機、4号機によって保護されています。
今回は3号機をメンテナンスモードに設定します。メンテナンスモード設定後1分以内はコンポーネントはAbsentとなると予想されます。
まず想定通りの動作です。コンポーネントアクセスができなくなり、Absent表示に変化
これに呼応し、ポリシー準拠ステータスもNoncompliantに変化します。
1分後、再同期が開始されました。
Absentのステータスはそのまま残り、新たに再同期のコンポーネントが登場しました。
この後、GUIとCLIでの同期ステータスチェックを行います。
※残念ながら、仮想環境上でデプロイが出来るVMDKサイズが小さく、一瞬で同期が終わってしまいました。
※何度も何度もメンテナンスモード投入などを行ったので、以下2枚の図では同期対象のホストが異なりますが、上記の理由によるものです。
まずGUIでの同期ステータス状況です。開いた瞬間残り時間0秒でしたので、ギリギリアクセスが出来たような状態です。
次にCLIでの同期ステータス状況です。コマンドを実行したタイミングの情報を取ってくる動きのため、リアルタイムな画面更新はありません。
何度かコマンドを連続で実行していたのですが、一瞬だけ同期の様子を確認することが出来ました。
以上です。
結論:コンポーネントの同期は、GUI/CLIいずれでも確認は可能である。
参照出来る情報には差があり、いずれもリアルタイムでの情報更新はありません。
(なお、検証動作環境はVMware Hands on LAB HOL-1708 vSAN 6.2 from A to Zより)