VMwareな日々

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vSAN 6.6に於けるディスク要求モードについて

vSANについて、あることがきっかけで"ディスク要求モード"について実環境検証をしようとした所、あることに気が付きました。

 

あるはずの、"ディスク要求モード変更メニュー"が6.6の環境では存在しないのです。

 

これはvSAN 6.2環境でのvSAN設定のメニュー画面です。(HOL-1708-SDC-1-HOLより抜粋)

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これはvSAN 6.6環境でのvSAN設定のメニュー画面です。

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この理由を調査した所、vSAN 6.6からはこのモードをリタイアさせたことが次の記事に記載がありました。

blogs.vmware.com

 

本来のディスク要求モードの”自動(Automatic)”はvSAN構成時に、自動的に各ホストに搭載されたドライブを使い、ディスクグループを構成してくれるという機能でした。

ディスク グループおよびデバイスの管理

コンセプトとしては、ユーザーに変わってディスクグループをデザインすることで、ミス構成を減らす、作業タスク短縮などがあります。

しかしこの点はユーザーが意図しないディスクグループ構成になってしまうという点が課題であり、多くのユーザーは”手動”でディスクグループを構成することが多かったようです。

 

時代はオールフラッシュストレージは”特別な存在”から”身近で標準的な存在”となってきています。加えて、Software Defined Storageの搭乗により、x86サーバーのシャーシデザインも、いかに大量のストレージデバイスを搭載するか、というコンセプトを持ったものも搭乗してきており、ユーザーサイドではディスクサイジングと選択肢が多くある状況です。

 

Dell EMC PowerEdge R740xdはストレージ拡張性が高い、代表的なサーバーノードですが、いよいよ2Uシャーシで最大で32本の2.5インチドライブを搭載出来るようになりました。

www.dell.com

こうした時代の流れが、今回の機能変更に至ったものである、というのがVMwareからのアナウンスとなっています。

 

vForum 2017 Tokyo レポート

この2日間は、仮想化業界におけるビッグイベント、vForumに参加をしました。

vforum.jp

関東で生活を始めたのが今年からですから、私にとっては初めてvForumだったわけです。

まずはこの2日間、普段お世話になっている方、懐かしい方、初めてお会いするvExpertの皆様にお会いすることが出来ました。

この場をお借りしまして、貴重なお時間ありがとう御座いました。

 

さて、ここから先は私のvForum 2017への感想やレポートとなります

まずはミーハーにも写真を一枚撮ってみました

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念願のvForum!初参戦!

正面からバッチリ撮りたかったのですが、あまりに人も多く、写真撮影するのがちょっと恥ずかし方です(笑)

 

Educationのブースでは、今年のVCIポスターがありました。今年も掲載有難うございます。

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私はどこでしょう?

社内掲示用に頂けるとの事で、そのうち自社内にも掲示されると思います。

今年はvSphereとvSANがメインでインストラクターをしていますが、来年の今頃はNSXとHorizonも極めていたいと思います。

 

Challenge LABでは、VMware ハンズオンラボと呼ばれる実操作環境上にデプロイされた環境に対し、お題目があるのでそれをクリアしていく課題があり、難易度ごとにクリア時の認定がバッジにより与えられました

 

初日最初に5ステージ全てクリアしてみました。HOLのスタッフの皆様、有難うございました。

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フルコンプしてみました。所要時間は40分くらいだった気がします。

HOL-1804-02-CHG vSphere 6.5 - Challenge Lab | VMwareハンズオンラボ | vFORUM 2017 TOKYO

ハンズオンラボについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください

instructor8010.hatenablog.jp

 

instructor8010.hatenablog.jp

色々撮影はしたのですが、掲載出来るもの、そうでないものもあるかと思いますので

これくらいにして置こうと思います。

 

ここからは私個人のvForum 2017に対する感想、コメントです

まずは次の3つが特に私個人が強くと感じたことです。

  • vSphereの知識はもはや”スタンダード”な知識
    VMwareネイティブな製品としてはvSAN, NSX, Horizon, AirWatchなどの製品ブースがあり、”vSphere”によるコンピュートノードの仮想化は今や”ありき”、特別ではなく標準的なスキルに変わりつつある

  • 中でも人気はvSANとNSX(と思いました)
    個人的によく足を運んだセッションだったからそう見えたようにも思いますが、
    常に会場は満員で、SDS, SDNは今のトレンドであると感じた
    (この点は、VMware側もハンズオンラボとしてこの2つをお題に出していた事からもそう読み取れた)
    特にvSANは既存導入も多く、どのように管理していくのか、という側面があり、
    NSXは、これから導入するには?どうすれば導入が出来るのか、というカラーの違いを感じました。

  • VMware Cloud on AWSとの連携が見えてきた
    まず、2018年末より、日本リージョンでの本サービス開始が紹介されていました。
    これを受けて会場では、具体的なユースケースに対する質問や未開放の機能についての紹介も多くありました。
    この点についてはAWSまたはVMwareからの公式発表が出た段階で、私のブログでも取り扱いたいと思います。

3つに共通して言える事は、”いかにして仮想マシンを便利に、効率よく使うか”という点が共通テーマだと感じています。

 

ワンクリックで簡単に、大量にデプロイ出来てしまう仮想マシンだからこそ・・・

  • LUN単位での要件定義では間に合わない、VM Centricな仮想マシン毎のストレージ要件を”VMware vSAN”

  • 仮想マシンが増えるたびに、物理ネットワーク機器の設定を変えたくない、
    こんな時には、仮想マシン単位でネットワーク設定がL2~L7レイヤーで出来る”VMware NSX

  • 仮想マシンを稼働させたままオンプレミスサイトの計画停止や、まさかの障害時のフェイルオーバーに”ハイブリッドクラウド

簡単ではありますが、以上となります。来年のvForumも是非参加をしたいと思います!

PowerEdge 14GとVMware (その3) vSphere ESXi インストール用ユーザーズガイド

vSphere ESXiをインストールする際に注意点はありますか?と聞かれる事がたまにあります。

 

ESXiを入れるくらい、わけない、と思っている方は、特にDell EMC PowerEdgeユーザーの方は是非こちらのマニュアルは参照にしていただきたいと思います。

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http://topics-cdn.dell.com/pdf/vmware-esxi-6.5.x_user's%20guide_en-us.pdf

 

こちらのマニュアルを読むことで、インストール時の注意点であったり、制限事項などを確認することが出来ます。

 

個人的には特に、”Important Information”の事項が有益な情報だと感じています。

例えば今回貼付したPDFからの抜粋が次の通りです。

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14Gの出荷から、デフォルトパスワードの変更をした点や、BOSSの利用用途についてや各PowerEdge世代毎のESXiインストールデバイスの説明、後は12G世代のPowerEdgeではBIOS 1.2.6では重要な更新を含むため、更新を促す文面も見られますね。 

 

こうしたPDF以外にも有用な情報が他にもありますので、是非以下のページもそうですが導入する予定の世代にあったvSphereのバージョンページを一度ご覧になられると良いと思います。

VMware ESXi 6.5.Xのサポート | マニュアルおよび文書 | Dell 日本

PowerEdge 14GとVMware (その2) 新ハードウェア BOSSについて

さて、こちらも過去記事からの継続です。

instructor8010.hatenablog.jp

 

Dell EMC PowerEdge14世代目からは、業界が最近力を入れているHCI分野のために”Boot Optimized Storage Solution (BOSS)”と呼ばれるハードウェア・オプションを準備しました。

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見た目としては上の図のようなカードのことを、通称”BOSS(ボス)”と呼びます。

このカードは、その名前が示すようにシステムの起動の最適化を行ってくれるソリューションです。

 

例えば、このカードがなかった時代は、システムに搭載されたドライブは、以下のように利用されていたケースが考えられます。

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ここでのポイントは、次の点です。

  • 同一コントローラー配下に、起動領域とデータ領域が接続されている
    これにより、ハードウェアコントローラーレベルで設定が両方の領域に対し共通化されてしまう

  • 起動領域のために、2スロット分のドライブが占有されており、これらはアプリケーションや仮想マシンに対し容量を2本分のドライブを割り当てられない

これまでの環境ではこのような課題がありました。

この状況に対し、Dell EMCは”内蔵デュアルSDカードモジュール(Internal Dual SD Card Module)”をリリースすることで、軽量なオペレーティングシステムであれば、それをシャーシに内蔵されるSDカードに搭載し、結果的にシステム前面のドライブを全てデータ領域に利用出来るようにアプローチしました。

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VMware vSphere ESXiのインストールを行うことを考えれば、このIDSDMは十分な容量を提供してくれますが、Microsoft Windowsのようにフットプリントが大きいOSの場合はSDカードに依存しますがインストールがサイズ不足で難しいと感じる場合があります。

 

また、SDカードの耐久性の観点から採用を悩むユーザーもいると考えられます。

 

これらの課題に対し登場したのがBOSSです。BOSSは最大で2枚のM.2 SATA SSDを1枚のPCIカードに搭載可能で、この場合RAID 1が利用可能です。

 

次の動画は、BOSSに対しRAID 1を構成し、ESXi 6.5をインストールする手順を紹介しています。

www.youtube.com

 

是非これを機会にBOSSの導入も検討されてみては如何でしょうか。

最後になりますが、現時点(2017/10)ではBOSSの利用用途は、vSphereに於いてはESXiのインストール用途限定となります。

ソースはこちらです。

14G PowerEdge Servers: Root password and BOSS-S1 configuration on VMWare ESXi factory installations | Dell 日本

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パススルーとして、1本または2本のSSDドライブとして見せることも出来ますが、基本的には耐久性の観点からハイパーバイザーインストールのみを想定した設計仕様となっていることが上述されています。

 

赤枠内のKBは以下2つです(上が英語版、下が日本語版)

 vSphere SSD and Flash Device Support (2145210)

  vSphere SSD とフラッシュ デバイスのサポート (2147723)

 

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vSphere ESXi ドライバーについて (ドライバーのインストール時の注意点)

今回はESXiに対し、ドライバーインストールを行う際の注意点を何点か紹介します。

  1. ドライバーの命名規則に関する注意点
  2. コマンドラインでのインストール時の注意点
  3. ドライバーインストール後は、新ドライバーの有効化と旧ドライバーの無効化を忘れずに!

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1. ドライバーの命名規則に関する注意点

復習になりますが、ドライバーのインストール時には、ファームウェアとの互換性が重要です。以下のリンクは前回私が確認をしたリンクです。

Broadcom 57810-k DP 10Gb NDCの互換性一覧はこちら

今回のNICファームウェアは、”7.12.19”です。

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上記に基づくと、次の2つのドライバーが互換性があることが明記されています。

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今回は、bnx2xドライバー(上の方)を利用しようと思いますが、ドライバー名が次のようになっています。

bnx2x version 2.712.10.v55.4

実際にこのドライバーのダウンロードは次のページです。

VMware ESXi 5.5 Driver CD for QLogic Network/iSCSI/FCoE Driver Set

ご覧の通り、vSphere 5.5用となってはいますが、VMware 互換性リストに基づけば、ESXi 6.5 Update1でも利用可能となっていますので、こちらを利用してください。

※この、実際のホストのバージョンと異なるケースも有り得る、という点が注意点です。

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2. コマンドラインでのインストール時の注意点

実際にドライバーのインストールを行う場合、"esxcli software"コマンドを駆使して行います。

この際、次のようなコマンドを入力します。

esxcli software vib install -d "オフラインバンドル名"

更に注意点ですが、この際オフラインバンドル名の指定は”絶対パス”での指定が必要です。

これはインストール時に相対パスを使用してしまったために、ドライバーインストールに失敗をしたケースです。

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これはインストール時に絶対パスを使用し、ドライバーインストールに成功したケースです。

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※インストール時のメッセージが”VIB Skipped”にのみドライバー名が連なっているのは、既にインストール済みのドライバーを上書きしたためです。

※新規でインストールしたVIBがある場合は、”VIB Installed”の行に新しいドライバーが表示されます。

こちらが関連ナレッジです。

次のエラーで VIB のインストールに失敗する:Unknown command or namespace software vib install (2079517)

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3. ドライバーインストール後は、新ドライバーの有効化と旧ドライバーの無効化を忘れずに! 

これまでの工程の後には、次のコマンド2つを利用し新ドライバーの有効化と旧ドライバーの無効化をしましょう。

コマンドラインは、次の通りです。

esxcli system module set --enabled=true --module=”新ドライバー名”

esxcli system module set --enabled=false --module=”旧ドライバー名”

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なお、この変更はESXiの再起動後から有効となりますのでこの点はご注意ください。

再起動後、qfle3ドライバーに変わりました。

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関連ナレッジがこちらです。

ESXi 6.5 におけるネイティブ ドライバの有効化と無効化 (2149345)

ESXi 5.5 以降でのネイティブ ドライバのトラブルシューティング (2101855)

vSphere ESXi ドライバーについて (ESXi内部から、現在利用中のNICドライバーとファームウェアの情報を確認する方法)

今回は、ESXiの持つ情報を基準に、NICが利用しているドライバーとファームウェアの情報を表示したいと思います。

 

既存ナレッジとしては次のものがソースとなります。

ESXi ホストで実際に使用されているストレージ ドライバまたはネットワーク ドライバを確認する (2097190)


ethtoolコマンドを使い、情報を参照したいvmnicの番号を入力します。

以下のコマンドでは、vmnic0の情報を表示するよう命令しています。

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ドライバーとしてはbnx2xという名称で、バージョンが1.72.56.v55.2というものであることが分かりました。

ファームウェアとしては、バージョンが7.12.19というものであることが分かりました。

 

また、ここで得られた結果を元に、esxcli software vib listコマンドを用い、VIBの詳細情報を検索したりと、この2つをセットで使うことで、VIBの許容レベルやベンダー情報を確認出来ます。

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vSphere Host ClientからのVIBインストール

vSphere 6.5より登場しました”VMware Host Client”ですが、ここからVIBのインストールがGUIベースで出来るようになっていました。

 

例えば、Dell EMCの場合は、”OpenManage Server Administrator”と呼ばれるx86サーバーの正常性確認アプリケーションがありますが、それを今回はインストールしてみたいと思います。

まず、次のサイトから”OpenManage Server Administrator”をダウンロードしてみます。

Dell OpenManageServer Administrator vSphere Installation Bundle (VIB) for ESXi 6.5, v8.5

入手後のZipファイルを解凍し、VIBファイルが存在することを確認します。

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このVIBファイルを、予めESXiホストのもつデータストア上にアップロードします。

今回は、"datastore1"という名称のデータストアのトップディレクトリにこれをアップロードしました。

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これで準備は整いました。

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それでは、次の箇所からVIBをインストールしてみたいと思います。

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メニューでは、インストールをしたいVIBファイル名を絶対パス指定で入力するよう求められますので、今回は次のように入力しました。

/vmfs/volumes/datastore1/cross_dell-openmanage-esxi_8.5.0.ESXi650-2372.vib

入力規則はつぎの通りです。

/vmfs/volumes/データストア名/パッケージ名.vib

 

もし社内でvSphere Update Manager(以下VUM)によるパッチ管理をしている場合は、ホストレベルでの操作による今回の操作により、VUM側で既定したベースライン以外のパッチが適用された、として警告が出るかもしれません、と通達してくれます。

 

今回はこのまま続行します。

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インストールが成功すると、次のようにメッセージが出ます。但し、再起動をしてから変更が反映されることを告げています。

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ホストのトップページ側にも、今回のVIBインストールによる変更を適用するための再起動要求が出ています。

 

再起動が最初からハイライトになっています。それではここで再起動をしてみましょう。

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こちらの一覧から、無事にインストールが完了したことを確認が出来ました。

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以上です。今回はDell EMC OpenManage Server Administratorにてデモ作業を行いましたが、勿論他のVIBについても同様だと言えます。

これまではesxcli software vib installコマンドを使って来た作業をGUIから数クリックで行えるという点は、ユーザーにとっては非常に良い変更だと言えます。